小規模個人再生と給与所得者再生|それぞれのメリット・デメリット
小規模個人再生と給与所得者等再生とは、破産手続きの一つである、個人再生に分類されるものです。
個人再生は、住宅などの財産を維持したまま、減額された借金を原則3年で分割返済をしていく手続きです。
住宅の維持のためには、住宅ローン以外の抵当権が設定されていないなどの条件があり、減額の程度も借金の額や保有している財産によって異なります。
減額後の借金を完済すれば、再生計画の対象となった借金については、原則として法律上返済する義務が免除されます。
また、個人再生を利用できる方もある程度の条件があり、まず上記で示した通り借金の総額が住宅ローンを除いて5000万円以下の方、返済不能となるおそれがある方、継続して収入を得る見込みがある方に限られます。
小規模個人再生と給与所得者等再生は、認定の基準に違いがあるため、以下で解説をさせていただきます。
・小規模個人再生の場合
小規模個人再生の場合には、原則として3年間で「法律で定められた最低弁済額」か「保有している財産の合計金額(清算価値)」のいずれか多い方の金額を弁済していくという方法になります。
最低弁済額とは民事再生法231条2項各号により規定されている基準となっています。
この条文をわかりやすくまとめると
・借金総額が100万円以下→最低弁済額は借金総額
・100万円以上500万円未満→100万円
・500万円以上1500万円未満→借金総額の5分の1
・1500万円以上3000万円未満→300万円
・3000万円以上5000万円以下→借金総額の10分の1
となっております。
上記のように大幅な減額を見込める可能性が高くなっています。
しかしながら小規模個人再生のデメリットは、債権者の数の2分の1以上の反対がなく、かつ反対した債権者の債権額の合計が全債権額の2分の1を超えていない、という条件が揃わなければ、再生計画が裁判所から認められないため、厳格な条件が求められます。
例えば4社から合計で2000万円を借りている場合に、2社が反対をし、かつそれらの会社からの借入が1000万円を1円でも上回ってしまっている場合には、再生計画が認められないことになります。
・給与所得者等再生
給与所得者等再生は、小規模個人再生で対象になった「最低弁済額」と「清算価値」の他に「可処分所得(収入から所得税などを控除し、さらに生活費を差し引いた金額)の2年分」の3つからいずれか多い方の金額を返済していく形になります。
一般的には小規模個人再生よりも返済額が高額になってしまいますが、債権者の2分の1以上の反対などという厳格な要件がありません。
ただし、過去7年以内に破産法に基づく免責決定を受けている場合には、給与所得者等再生の申し立てをすることができません。
櫻井晴季法律事務所では、個人再生手続きでお悩みの方のご相談を受け付けております。相談者の状況に合わせたアドバイスをさせていただきますので、お困りの方はぜひご相談にお越しください。
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代表弁護士紹介
- 代表弁護士
- 櫻井 晴季(さくらい はるき)
- ご挨拶
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皆さま、はじめまして。
弁護士の櫻井晴季(さくらい・はるき)と申します。
弁護士というと、堅苦しい雰囲気や気むずかしさをイメージされる方も多いかと思います。しかし、私がご依頼者様と築きたいのは、会話をしながら、自然とほほ笑みが生まれるような関係です。
「こんなこと弁護士に相談していいのかな」「相談したら依頼しないといけないのかな」そんな心配は一切いりません。問題がはっきりしていない段階でも、相談を迷われている段階でもかまいません。どのようななことでも、お気軽にご相談下さい。今出来ること、必要なことから、アドバイスさせていただきます。
- 経歴
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千葉県千葉市出身
明治大学法学部卒業
國學院大學法科大学院卒業
2011年 司法試験合格
2013年 弁護士登録(千葉県弁護士会)
- 所属団体
- 千葉県弁護士会
事務所概要
名称 | 櫻井晴季法律事務所 >ホームぺ-ジはこちら |
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所属 | 千葉県弁護士会 |
代表者 | 櫻井 晴季(さくらい はるき) |
所在地 | 〒260-0013 千葉県千葉市中央区中央4-10-8 コーケンボイス千葉中央601 |
アクセス |
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